『今日佐奈と選んで買った!』

芹梨からのメールの内容は、簡単な文面と添付されている写真。

それは夏らしいボーダーのトップス。
襟が今年らしい可愛らしさを醸し出している。

俺はシャーペンを置いて、んっと伸びをし、メールを返した。

『可愛いじゃん。この前着てたオフホワイトのスカートと似合いそう』

送信ボタンを押し、写メをもう一度見る。

夏を先取ったそれを着こなしている芹梨を想像した。
綺麗な黒髪をハーフアップにし、ヒールの高いウエッジソールに合わせる。

そうすると、不思議とまた新しいスタイルのイメージが沸くのだ。

携帯を置いて、再びシャーペンを走らせた。


あれから芹梨と、よくメールをする様になった。

最初はぎこちなかった文面も、今は他愛ない話を会話の様に送れる様になった。

たまに二人でランチに行ったりもしている。それが自然に出来ている関係が、とても居心地いい。


同時に、俺がスタイル画を描く時にイメージするのが必ず芹梨になった。

芹梨に着せたい。
芹梨ならこう着こなしてくれるだろう。

そう思うと、どんどんイメージが膨らんだ。