「――狂わせたのは君だよ、 ミーナ……」 眉を寄せ、彼は私の肌をなぞるように触れた。 「貴方はどうして私の名前を知っているの……」 突き付けられた刃物より、彼の触れてゆく部分の方がずっと痛い。 彼の気持ちがそこから流れ込んでくるみたいに。 「……どうして? さぁ……どうしてだと思う?」 答えになってない。