するとますます笑みを深めて彼は私に詰め寄る。 「ミーナ」 まるでそれが世界で1番愛しい言葉のように掠れた声でその名を呼んだ。 けれど手に持つカッターは仕舞われてはいなかった。 「………っ」 更にカチカチと刃を出して、彼は再度私を壁に押し付けた。 「……交換条件だったはずだ」 ぞくり、と背中が冷えた。