その瞬間、クラスの女子たちが「かっこいい!」などと
騒ぎ始めたのは言うまでもなく…。

「あ。どーも。はじめまして。このクラスの担任の井上知弘(いのうえともひろ)です。よろしく。」

なんか気だるそうな感じ…。
女子はキャーキャーうるさいし。

「別にちょっとかっこよくても、教師は教師だし…。」
すごく小さめに言ったはずなのに、やつには聞こえていて…。

「えっと…そこのポニーテールの4列目の女子。」

………。教室が静まり、みんなの目線はあたしの方へ。

「…は?」

「は?じゃなくてアンタ。今文句言ったでしょ。放課後、生徒指導室。」

「…。」 はあ~!?!? なんですと!? この馬鹿教師!!

キーンコーンカーンコーン♪

やばい!やばい!どーしよー…。放課後になってしまった!
逃げようか。いや、でも怒られるし…。行くか…。

~生徒指導室~
「…失礼しまーす。」バタン。

「遅い。」 そこにはムスッとした井上先生がいた。
「す、すみません…。」

「で、さっき何文句言ったの?」
「え…。」

「言わないと、内申書下げる。」
「え~!それはムリムリ!言います、言いますからぁ…。」
「じゃ、なに?」 ちょっと黒く笑った気がした。

「えっと…。ちょっとかっこよくても教師は教師って…。」
「ちょっとかっこいいと思ったんだ?」

やっぱりSな感じの笑みが…。ってか、そこかよ!

「いや、みんなが言ってたから…。」
「ふ~ん。」