『菊原さん!これ、ここに置いた?』 『いえ。あたしは、置いてないですけど…?』 『あなたでしょう?さっさと、移動しときなさい!』 『わかりました。移動しときます!』 パートの人たちの、多少の嫌がらせにも慣れた。 これが、世の中だって思う。 目上の人には逆らわない。 それが、いくら筋の通っていないことだったとしても。 あたしは言われたとおりに、倉庫へと戻した。