あたしは有沙ちゃんが何者なのか、わからなかった。 『向かいの大きいデパート…あれが、青山のお父さんの会社。』 『え?』 驚きが隠せない。 『社長令嬢ってやつ。あのデパートの社長が、青山の父さんなんだ。』 凄く不思議な気持ちだった。 『菊原さん。今日は、もう帰っていいですよ。』 その後、社長はあたしにそう言った。 -- 店の駐車場。---