中学の頃。 何も怖いものなんてなかった。 ただはしゃいで、ただ騒いで、ただグレて、そんな毎日を過ごしてた。 それでも、あの頃は無邪気で、自分の気持ちに正直で、真っ直ぐ前だけを見て進んでた。 今とは……違って。 -- 大学3年の春。 --- 『いらっしゃいませ。』 そんなあたし、菊原 華恋(キクハラ カレン)も、もう大学3年になっていた。 ホームセンターでバイトをしてお金を稼ぐ、ごく普通の大学生に。