朝起きて、パジャマのまま、私はリビングに向かう。
芳ばしくていい匂いが鼻孔をくすぐる。
その匂いのする方、キッチンに愛斗(あいと)はいた。

「おはよう、愛斗。」

「ああ、おはよう優香(ゆうか)。今日は母さんいないから洋食だけどいいか?」

「うん、いいよ。愛斗が作ってくれたものなら何でもいい」

私達は一緒に住んでる。
けど兄妹じゃない。
単に私の両親が自殺したから、愛斗の両親のご厚意で一緒にすんでるだけだ。