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コンコン




静かな廊下にノック音が響く






「おー、入れ」




カラカラカラ


ピシャッ





「‥‥龍一。‥否、エリオット」




「!!‥彼方。否、ペーターか」





龍一、ならぬエリオットは振り向き白うさぎをみる。




白うさぎ───ペーターは眉間にしわをよせ、目線を下に落とした。






「‥アリスを、アチラヘ送りました」





龍一───エリオットもまた、眉間にしわをよせる



「はぁ‥そろそろだと‥思ってたぜ」



「‥っ、アリスをアチラヘ送らずとも‥っ、よかったのではないですか‥っ!?」




声を荒げるペーターにエリオットは哀しげに瞳を揺らした




「ペーター‥」










ガラッ




「!?」




何の前触れもなしに勢いよくドアがあき驚くペーターを尻目にエリオットはフゥとため息をつく。







「ジャスミン‥っ!」





「運命は変えられない。‥そうでしょ?兄様」





突然現れた紅うさぎは青い瞳を光らせ、その瞳でエリオットを捉え、静かにそう言い放った。





「はぁ、友梨‥ああ、今はジャスミンか。ってかお前なぁ〜‥ノックぐらいすれよな」




「ふふ、ごめんなさい。兄様」




「‥はぁ。ペーター。コチラを片付け次第俺たちもソチラヘいく。‥それまでアリスのこと‥頼んだぞ」




「‥っ、承知‥‥」






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