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その頃、アリスは中庭にいた。
「ふぅ、今日はちょっとしつこかったわね。」
アリスは後ろから誰も追って来ていないことを確認し、安堵のためいきをもらす。
「いっつもいっつも私なんか追いかけ回して‥何がたのしいかしら‥。」
男たちがゆっていたことは本当だったらしい。
相当なニブさだ。
「全く‥」
ガッ
「わわっ!」
ベシャッ
「‥‥‥っ、痛い‥っ」
あろうことか何もないところで顔面からコケてしまったのだ。
アリスは涙目になり、顔を赤くした。
恥ずかしさと情けなさで顔が上げられない。
というか、悲痛な叫びしか出ない。
「あぅ〜‥っ」
それどころか、擦ったであろうおでこも痛い。
(こんな姿見られたら恥ずかしい‥っ)
そのまま突っ伏していると、わずかながら頭上に気配を感じた。
「大丈夫ですか?‥アリス様」
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