【大輔side】


空きの時間。


次は体育やったな〜と思って、めずらしく掃除しようとしたら、みたことのあるゼッケン。


雫は器用やから、ゼッケンにいっぱい縫い付けてる。


あいつ…元から天然やとは思ってたけど!


授業で使うんちゃうんか?


仕方なくグラウンドまで届けに行った。


教師が生徒の忘れ物届けるぐらい、普通やんな?!


声をかけたら振り向いた雫。


なんか…虚ろ…?


一瞬握った手から確信。


コイツ熱あるわ。


保健室につれていこうと思ったら、俺の話も聞かんと友達のとこに走っていった。


あいつ…倒れんちゃうか…?


雫の様子を気にしながら教室に戻った。


ここからやったらグラウンドも見えるし。


案の定フラフラの雫…。


すると雫の元へ駆け寄ってきた一人の男…。


森脇…か。


あいつはほんまに雫が好きやと思う。


気付けば走り出してる自分。


焦ってるんやと思う…。


雫を誰にも取られたくなくて…。


遅かったのか既に雫を抱き抱えてる森脇と、階段でバッタリ…。


遅かったか…。


「森脇…悪いな、代わる。」

「いいよ別に。保健室っしょ?こんくらい軽いし。」


そう言って雫を見つめる森脇。


コイツ…本気…。


でも俺はそれ以上に本気な自信がある。


「お前授業あるやろ?後は俺に任せとき。」

「ちょっ…」


無理矢理雫を取った。


「また邪魔すんだ…。」

「わりぃな!バスケ頑張れよ〜」

「大輔ってなんなわけ〜…」

「ははっ!!」


しいて言えばお前が1番嫌いな相手やな…。