「やっと つかまえた。」 「ずっと こうしたかった。」 佐々木さんの声が 頭上で聞こえる。 私を抱きしめる為に、たくましく力が込められた腕とは裏腹に、 佐々木さんの胸は、呼吸で上下に波打っている。 数秒前までの不安が消えていく。 そして私は、 佐々木さんの 懐かしい香りに 包まれる。 すっと 目を閉じる私。 一瞬にして、 幸せに包まれる私。