「……。」


沈黙が流れる。


「思ったより華奢なんだな。」

と、言うのをきっかけにして、ようやく佐々木さんは、私から視線をそらす。

コーヒーに手をのばして下を向く佐々木さん。

今度は私が、まじまじと見る番だ。




むしろ 佐々木さんの方が照れているようだ。


…かわいい…。


余裕が出たあたしは、吹き出しそうになる。


でも、佐々木さんは、そんなあたしの気配にさえ気付かない。


その照れが、

その、少し気まずい沈黙が また 嬉しくてー。


そんな

『初々しいはじまり』
がまた、嬉しくてー。


初めて結ばれた日のあたしは、

身も心もみたされた。