「春」
一緒に見た綺麗な桜
キミは覚えている?
覚えてるよねっ!
キミは昔から、
桜好きだったし♪
そして春は…
君と恋に落ちた季節
魅散side
「永ーーっ!
今年の桜、凄い綺麗だよっ!」
「うん、綺麗だな
なんか、今年は
今まで見た中で一番…
綺麗だと思う」
私の幼なじみ、
神崎 永(かんざき とわ)
「オジサン臭ーい!
なんで浸ってんの?!」
「ごめんごめん(笑)
なんか、そんな気分で」
永、なんか悲しそうな
顔してる…なんでだろう?
「ねぇ永、なんかあった?」
「ん?別に何も」
いつも通り綺麗に笑う
その笑顔、好きだよ
「そういえば永、
彼女とか出来たー?
高校生なんだし、
恋しなきゃ青春損だよっ!」
「…………はぁ?!
そーいう魅散はどうなの?」
へっ?!私……?
「えへへー♪
実は私……彼氏出来たんだ!
ほら~…えっと…
三年の渡辺先輩!」
「………へー」
なんか冷たい…
もっと何か言う事ない訳?!
「ふーんだ!
永なんか嫌~いっ!」
「え。」
「なーんてねっ♪
嘘に決まってんじゃんっ!
ずっと一緒だよ?」
「そうだな……
……出来たら良いなぁ…」
そうやって遠くを見て
永は静かに微笑んだ
変なのっ!!
妙に大人っぽいんだから…
「あっ…早く学校いこっ?」
「うぉ……やべぇ…行くか!」
桜並木の道を
二人で駆け抜けて…
「あー!永の頭、
桜だらけだよー!」
「お前なんて、
鼻に付いてるぞ?」
「えっ?!嘘?どこどこ?!」
「…なーんてね」
「嘘ついたなーっ?!」
楽しい時間、
ずっと続けば良いのに…
なーんて思ってた
「おはよー魅散~」
門をくぐると、
渡辺先輩が挨拶してくれる
「センパイっ!!
永、私こっちだから……
また帰りにねっ♪」
「うん、じゃーな」
「なぁ魅散…あいつ誰だよ」
「ん?幼なじみだよ?」
「彼氏は俺なのに、
なんで他の男と登校してんの?」
やきもち焼かなくたって…
「永は友達だからいーの!」
「ふーん…じゃあ、
俺の事も名前で呼んで」
ワガママな先輩…
「高貴先輩?」
「ん、OK」
まあ、先輩の事好きだし
別に良いんだけど…
「なぁ、もっと楽しそうな
顔しろよ……ムカつく」
「あ、ごめんなさい…」
「彼女だろ?」
「うん………」
先輩に告白されて、
別に嫌いじやないから
付き合って………
……本当に好きなの?
「魅散ー…キスして良い?」
「え?」
「早くこっち向けよ」
「うん………」
なんか………恥ずかしい
ドキドキじゃないんだよね
「…………っ」
キスって思ったより
幸せなモノじゃないのかな…
私は、先輩に
キスされてるのも上の空で
舞い散る桜の花びらを、
ただ見つめていた
「ねぇ魅散ー?」
「ん?何、お母さん」
家に帰って、ソファで
ごろごろしていた時…
「お花見行かない?」
?なんだいきなり
いつもは面倒くさがってるのに
なんで今年はいきなり?
「魅散、一緒にきて」
二回から降りてきた永が、
私に頼む
「行く……けど…
なんでいきなり?」
その場に居た、
永のパパとお父さんが、
ピクッ…と体を動かす
「まあ…今度教えるからな」
「そうですね…」
「………………」
なんか、この空気嫌