彼の右手を見るとしっかりとイチゴオレのパックが握られていた。




「あぁ!気にしないでください!
あたしの不注意が原因ですからっ!!」


そう言ってクシャッと笑った。





「ホントゴメンなっ?
今度ワビするから、名前。教えて?」

「名前・・・ですか?」

「そっ。名前。」


お詫びなんていいのになぁ・・・。





「秋口 那瑠です。
ほんとお詫びとかいいですからっ!」

「いや、そーゆートコはきちんとしたいタイプだから。

那瑠ちゃんね。


俺は二年の幸村 暁。よろしく。」


やっぱり先輩なんだぁ・・・!




「はぃっ!よろしくですっ!
幸村先輩!」

「いや、ふつーに暁でいいから。
苗字とか慣れねぇし・・・///」


あれ・・・?なんか照れてる?

なんかちょっと意外かも!



「じゃぁ・・・暁先輩で!」


いいゃん、暁先輩!




ふっと暁先輩の方を見上げた。


「あっ、やべっ!じゃーな?那瑠。」

何か急いでるっぽい。



「じゃーねー暁先輩!」


そう言って、ひらひらと手を振った。