「ごめん...、辛かったでしょ...?」
「えっ、全然平気!大丈夫」

軽く笑い、香奈ちゃんに「気にしないで」と付け加える。
香奈ちゃんは明るい顔になり、いつもの可愛い顔に戻った。

「ありがとね!蓮。」
「ん、いえいえー。」

そこで先生が入ってきた。
すると香奈ちゃんは一気に真面目な顔になって前を向く。
香奈ちゃんは有名な大学に入るのを目標にしてるから授業を真面目に受けてる。
本当に、凄いな、と思う。

先生が今日の概要を話して居る時、私は窓の外を眺めていた。

桜が立っている。
時々花弁がひらひら、と舞い、本当に綺麗。
一瞬大きな風が吹き、桜が一気に落ちる。

「...あーあ...。」

あんなに綺麗だった桜も落ちてしまえば、おしまい。
何て、哀れ。
まだ桜吹雪が舞っている中、ある一つの木の下で男の子が突っ立っていた。