分かってたこと。
どうせ、今回も、って。

―――――
B級映画なら、ドラマなら。
笑顔の少女が居る筈のシチュエーション。
昼下がり、桜が舞う公園で、制服姿の男女二人が向かい合ってる、なんて。

なのに、私は今何で泣きそうなんだろう。

――理由は簡単。

眼の前に居る、顔は整った方の男の子。
彼がぼそ、とこう告げたから。

「御前と居る意味が分からない、んだ」



――私は鞍川蓮。
頭も運動神経も、顔も普通の女子高校生。
なのに、告白される回数は半端なくて、
今まで何度も何度も色んな人と付き合ってきた。
でも、大抵の人は私に飽いたか、それとも元々本気でなかったのか。

長くて2週間、早くて3日で別れを告げられてしまう。

―――やっぱり私は誰かに愛されちゃいけないのかな?

彼が目の前で別れたい理由を告げている。
もう、何も頭に入ってこないのに―――。
涙が溢れそうだから早く帰して欲しいのに。
まだ、続くのかな。

そう、思ってたら彼が、やっと話の区切りがついたのか俯いていた顔を上げた。

「だから―――っ!」