「辛い時に……ね。やっぱり何かあったのね?」


やっぱり気になるんだけど。


何があったのかそろそろ白状なさいな、高瀬。


「あ……いえ。勘繰らないでください、お嬢様…」


高瀬は苦笑すると、あたしの足をタオルケットで優しく吹き出した。


靴を履かせてくれながら、高瀬は言った。


「それよりもお腹は空きませんか?もう二時近いですから…ランチでも如何です?お嬢様のお好きな魚が美味しいですよ?」


さりげなく話題を変えられる。


「魚…?」


「はい。せっかく海に来ておりますから、お嬢様に是非ともご賞味頂けたらと思いまして」