「筧さん。
ゆきちゃんの車の調子がよくないみたいなんだけど、見てもらってもいいですかね?」


「……。

えっ!あっ、構わないよ。」


「じゃあ、ゆきちゃん。
隣の工場に持っていってくれる?

それともオレが運転しようか?」


「ううん。

ありがとう、大沢くん。

自分で動かすね。」


「筧さん。

急にすみません。

お手数お掛けしますが、よろしくお願いします。」


「…」


「筧さん。大丈夫ッスか?」


「あっ!
大丈夫、大丈夫。

じゃあ、先に戻ってるから。」


大丈夫なんかじゃない。


さっきから心臓がもの凄いことになっている。


とにかく、しっかりしなければ。