大学の友達に口コミで広がるようにお願いした。

「え!?由里が塾の先生!?」

皆に驚かれてしまった。
でも、私は結構やる気だったから何も言わなかった。暁人もいるし、心強いや。

ついに募集の日。

私たちはマンションの一室を借りて塾を開くことにした。
もし赤字になっても、生徒さんが私たちの塾で苦手な勉強が少しでも楽できるなら、いいや。

朝から私たちはそのマンションにいた。

「やーっぱ誰も来ないのかな」
「来ると思うけど。俺は。」
「すごい自信ね、暁人は。」

ピンポーン…

「えっ」
来た。
私たちの塾に入りたいと思ってくれた人が。

「初めまして…えと、この塾入ります」
「え、はや!」
暁人はつい言ってしまった。

最初にやってきた人は、私より背が高く(まぁ高校生なら普通かもしれないけど)暁人よりは背が低い(暁人は背がでかい)男の子だった。