高校に入学して一年。


桜の花びらがヒラヒラと舞うなか、入学式と大きく掛かれた門を通る。



周りにはブレザー姿がまだ少しぎこちない一年が沢山いる。



「早いなー。もう一年たつんだ」



一年前はあたしもこんなだったのかな。


なんかみんな緊張してて可愛い。



「香奈ー遅いよ!!!!」



前の方から手を左右に大きく揺らす、肩まで伸びた茶髪の女子生徒の大きな声が聞こえた。



「もー…みんな見てるじゃん。優衣のバカ……」

小さく呟くと小走りで、親友の松本優衣のもとへ向かった。