「直に相談してないんですかね」




「していないみたいだね。新垣先生の耳に入ってないってことは」




「ひとりで悩んで答えを出したとしたら・・・・・・きっと相当思い詰めてるでしょう」




「それが俺も心配で。でも、電話にも出てくれなくてちゃんと話せてないんですよ」





どうすれば元に戻れるか。


そんな難しい問題に答えなんて出なくて。



翼先生は、どうにかしてもう一度話をしてみると言って、明るく俺に手を振った。





わかるんだ。


ちょっとだけ。




俺も相手が生徒だった。



そして、かなり年下だった。




いくら、向こうから好きになってくれたとしても、翼先生には不安があった。




俺も同じだった。




教師としての俺しか知らない直が、実際の俺と付き合って、がっかりしないかなって思ったよ。





俺に対して、ものすごい良いイメージを持っていてくれたとしたら、絶対に幻滅させちゃうなって。




だって、俺はスーパーマンでもないし、本当にどこにでもいる教師だったからさ。