「水谷先生の所には、女子がよく相談に行くんですよね」
「はい。ほとんど女子です。好きな子ができた、彼氏ができたっていうかわいい相談もあれば、彼氏にエッチ誘われたけどどうしたらいいかとか、避妊してと言えないとか、深刻なのもあります。今年は特に多い気がして・・・・・・私ひとりでは抱えきれなくなってきまして・・・・・・」
水谷先生はいつも元気いっぱいだった。
学校でも笑顔で生徒に声をかけていて、悩んでいるようには見えなかった。
「俺も協力します。俺で良かったら、田嶋の件も相談に乗りたいんで、水谷先生から言ってもらえますか」
「助かります。他の先生には話しづらくて。頭ごなしに怒る先生もいますから。新垣先生は考え方が私と似ているかなって思ったので、相談させてもらったんです」
俺は、水谷先生が自分と似ていると感じていた。
熱心で、いつも生徒のことを考えている姿に好感を持っていた。
ただ、それは恋愛感情なんていうものじゃなく、人間としての尊敬に近いものだった。
今、そのことに気付くなんて・・・・・・