俺は、畑中達に視線を向けた。



どうやら、ナンパが成功したようで、女の子達と輪になって話をしていた。



水谷先生は、畑中達を見つめながら、静かに息を吐いた。




「あの子達を見ていても、まだまだ子供だなって思う部分もあれば、妙に大人っぽい所もあって。高校生と毎日接していて、いつも真剣に相談してくる子を見ていると、大人の勝手な考え方を押しつけちゃいけない気もします」




「保健体育の教師としては、やっぱり保健の授業に力を入れないといけないですね。毎年、かなり踏み込んだ指導をしているつもりなんですが・・・・・・やっぱり難しいです。上から物を言っても彼らは受け入れてはくれない。俺達が、自分が高校生だった頃に戻って話すことも必要ですね。でもそうなると・・・・・・SEXしちゃいけないとは言えなくなる。だから、正しいかどうかわからないけど、とにかく避妊をするようにと言ってます。俺が教師になった頃は、未成年のうちは我慢しろよって言ってた気もしますが、今それは通じないのかもしれません」





保健の授業は、性教育がメインで、みんな楽しそうに授業を聞いていた。




ふざけ半分だけど、男子はよく発言もしてくれるし、いい授業になることが多い。