俺も直も、やっぱり嫉妬をしちゃうし、信じていても気になってしまう。




いつの日か、水谷先生のようになれるのだろうか。







直が、男と飲み会に行っても


“俺達はそんなことで嫉妬しないよ”


なんて余裕なことを言ったり。






“俺達は信じ合ってるから、何も心配はないんだ”


なんて、言える日が来る?






俺と直は、まだまだ子供なんだろうか。










「早く彼女作りなさいよ」




水谷先生はそう言って、畑中の肩を叩いた。



畑中は、今でも水谷先生のことが好きだった。




報われることのない想いだけど、こうして仲良くなれたことで、アイツの中で何かが変わるだろう。





「彼女できたらメールしてね」




水谷先生がそう言うと、畑中は苦笑いを浮かべた。




「いじわるっすね~」




さっきの水谷先生の言葉が何度も頭の中によみがえってきた。



水谷先生の旦那さんは、水谷先生が男子生徒にアドレスを教えても平気なのか。


平気じゃないけど、信じているから何も言わないのか。



夫婦って本当に、いろいろあって。



いろんな種類の夫婦がいて。



正解があるわけじゃないし、どの夫婦もそれぞれに良さがあって・・・・・・






でも、俺達は誰にも負けない自信があった。




どの夫婦よりも仲良しで、信頼し合っていて、隠しごとがなく・・・・・・






まだまだだった。




甘かった。




俺、全然ダメだな。