次の日の朝…
「美怜!おはよーッ!!」
夏希は満面の笑みを浮かべながら、親友の西山美怜にだきついた。
「うわおッ。おはよ。朝からテンション高いやん。何か良い事でもあった?」
美怜はだきついてきた美怜を一旦離してきいた。
「ちょっとね♪聞きたいー?」
夏希は不思議そうな顔をしている美怜にうすら笑いを浮かべながらきいた。
「聞きたいッ!!」
美怜は興味深々に夏希になにがあったかきいた。
「実はね…」
夏希が話そうとした瞬間に突然、人がつっこんできた。
「夏希!美怜!おはよ…!まだ予鈴なってないよね!?」
遅刻寸前で息を切らしながらいきなりつっこんできて床に座り込んだこの子は、もう一人の親友の加藤千裕。
なぜかいつも変なタイミングでやってくる。
「おはよ。てか、突進するなって!ほんと、タイミング悪いよね…(笑)」
夏希は呆れた顔をしながら、床に座り込んだ千裕を立たせた。
「よかったじゃん。まだ予鈴なってないよ。てか、もっと余裕もって来いっていったじゃん!!」
美怜も苦笑いをしながら千裕に話しかけた。
「はあ。ほんと疲れた…。てか、何か話そうとしてたみたいやけど…、なんやったん?」
千裕は自分の席に荷物を置いたあと、まだ若干整ってない呼吸で話しだした。
「あ、忘れてた…。千裕が変なタイミングで突進してきたから…(笑)」
夏希はハッとしたような顔をしたあと、軽く千裕をにらんだ。
「ホントごめんって!!で、なになに?」
千裕は手をパタンと合わせて、謝った後、何を話そうとしたかきいた。
「ほら!夏希、話してよ。“良い事”ってやつを!」
美怜はせかすように夏希の手を掴んだ。
「えっとね、実は…」
夏希が話そうとした瞬間
―――キーンコーンカーンコーン…―――
予鈴が鳴ってしまった。
「タイミング悪ッ!!」
思わずみんなでハモってしまった。
「じゃあ、朝自習が終わったら話すわ…(笑)」
夏希はそういって、あまりのタイミングの悪さに苦笑いを浮かべながらいい
みんなそれぞれ自分の席に戻っていった。