「ごめん、別れよう。」

この言葉を治紀から言われたのは、1年前の桜が散っていくころだった。

中学2年生だった吉岡夏希と高橋治紀は付き合っていたが、すれ違いのせいで1年前に別れてしまった。

…あれからもう1年がたった。

夏希は1年の間でいろいろな人を好きになり、付き合ったり、告白されたりしたりをしていた。

けど、治紀以上に好きになれる人はなかなか現れなくて、付き合って別れてを繰り返していた。

しかし、やっと治紀を越せるくらい好きになれそうな人が現れたのだ。