「本日は『大物俳優 真木洋作のすべて』という記事を書くにあたって、少し取材をさせて頂きます。よろしくお願い致します。」
雑誌編集者の三上瑞希は言った。
「私なんぞのことでしたら、何でも話しますよ。」
七十二歳の真木洋作は三上に微笑みかけて言った。物腰は柔らかで優しい笑顔の老人だが、見る者に器の大きさを感じさせる。
「さっそくなんですが、お休みの時は何をされてるんですか。」
「そうじゃのう。」