「けど、それも人生が楽しかったら何とかなると思うんだよな。心が満たされていけば、きっといつか治っていくと思うんだ。時間はかかるかもしれないけどな。」
 「・・・・・・。」

 「でもまぁ、時間なんていくらかかってもいいじゃん。人生はまだまだ長~いんだからさ。」
 「・・・・・・。」

 島谷の前に立った。思いっきり頭を下げた。
 「・・・・・?」

 「島谷、この前はめちゃくちゃ殴ってごめん!本当にごめん!!」
 「・・・・・・。」

 「ふぅ~・・・。すっきりした。これで満足だ。んじゃ帰るわ!またな!」
 頭を上げ、振り向いて歩き出そうとした時・・・。

 「お前・・・どうしてそんなことをわざわざ俺に言いに来た・・・?」

 島谷の声がしたから振り返った。

 「ん~、半分は自己満足かな。島谷ともギクシャクしたくなかったんだ。」
 「・・・・・・。」

 「もう半分は・・・、教えてあげたかったんだ、お前にも・・・。」

 「・・・教える・・・?」

 「今よりも、もっと楽しい虹色の人生の送り方をな!俺には幸い、それを教えてくれた奴がいたけど、もし島谷にそういう奴がいなかったら寂しいだろ!」
 「・・・・・・。」

 「また、学校来いよ!一緒に勉強しようぜ!じゃあな!」

 俺がそう言い残して、公園を出て行こうとした時だった。

 「おい!お前!」

 振り返ると島谷が走ってきた。

 「ん?なに?」

 「・・・お前の・・・名前・・・、聞いてなかった・・・。」

 俺は笑顔で答えた。

 「真田だ。真田勇治!よろしくな!」

 島谷も恥ずかしがりながらも笑顔になった。

 「真田か・・・。覚えておくよ。」

 今日は雲ひとつない晴天、空は青1色だった。