10日間の謹慎期間は自分の部屋の勉強机で1日中ぼーっと過ごしていた。

 ふと偶然、ペンたての中に鍵を入れているのを思い出した。
 ペンたてをひっくり返すと鍵が1つ出てきた。
 その鍵を使って、1番下の引き出しを空けた。

 白いセーターが出てきた・・・。

 そう、これは・・・、遥と付き合い始めた日に、遥が1日遅れと言ってくれたバレンタインデーのプレゼント・・・。
 きれいに編んである・・・。もったいなくて1度も着れなかったから新品同然だった。

 セーターの下には古びたノートが置いてあった・・・。

 中学の時に使っていた英語のノートだった。
 なんで、これだけ1冊残ってたんだっけ・・・。
 不思議に思いながらノートをペラペラめくっていくと。最後のページに英文が1行だけ書いてあった。

 “You will be able to become a lawyer!”

 あ・・・・・。思い出した・・・。