「ん?どうした?」
 根岸の机に行くと、根岸は頭を抱えて塞ぎ込んでいた。

 「数学・・・、さっぱりわかんねぇ~・・・。どうしたらいいと思う?」
 「う~ん、とりあえず問題解きながら解き方覚えていくしかないと思うけどなぁ。」
 「解き方なぁ・・・。そうはいっても意味が分かんねぇから覚える気にもならねぇんだよなぁ・・・。」
 「ん~?どれどれ?教えてやるから元気出せよ。な!」
 根岸の肩を軽く叩いた。

 「真田~、お前・・・、いい奴だなぁ・・・・。」
 「馬鹿野郎!今更気付いたのか!気付くのが遅せぇんだよ!!」
 進二が根岸の背中を思い切り叩いた。
 「いってぇっ!このやろーっ!!」
 進二と根岸がふざけ始めた。

 「おいこら!遊んでる場合じゃねぇだろ!進二、お前は問題を適当に解きすぎだ!勘でやって頭よくなるわけねぇんだから、もっと考えてやれ!」
 「ちぇ~っ、だって分かんねぇんだよぅ・・・。」

 「まったく・・・。こうなったら2人まとめて面倒見てやる!お前らちょっと黒板を見ろ!」
 「さっすが~!真田せんせ~!!」
 根岸と進二は声をそろえて言った。

 「ねぇねぇ、真田く~ん、私たちも入れて~。」
 見ると詩織と佐藤が立っていた。詩織が恥ずかしそうに俺の方を見ていた。