学校はいよいよ定期テストが近づいてきた。
 部活動は3週間前から休みになり、放課後の教室は自習室になった。

 俺と詩織の放課後勉強会は2回目の席替えで、席が離れた後も続いたが、定期テストのために勉強する生徒がいたから、2人だけではなくなった。

 俺はあの日以来、自分の行動を常に見直すようにした。
 進二の作っていたグループにもできるだけ参加して、いろんな奴と話すようにした。

 それは、形だけの人間関係だけでもいい、という意味ではない。
 人間関係が形だけに終わるかどうかは俺次第だと思った。
 俺がどこまで友達を理解し、理解してもらえるかでいくらでも変えられる。
 遥がいたらきっとそう言ったはずだ。
 それに詩織も・・・。

 地味に予習と復習をこなしていたおかげで、俺は落ちこぼれることはなかった。
 そしてその結果、俺の周りには勉強を軸とした人間関係が徐々に形成されていった。

 「おーい、真田ー、助けてくれー。」

 今日も放課後の自習中に根岸に呼ばれた。