進二は俺の部屋に入るとベッドの上に座った。俺は勉強机の椅子に座った。

 ・・・気まずかった・・・。
 でも・・・、謝らなければと思った。

 「進二・・・、ごめんな・・・。せっかく止めてくれたのに・・・、俺・・・・。」
 「いいよいいよ!気にすんなって!あれはちょっと議題がまずかったよなぁ。」
 進二は笑った。

 「だけどさ、先生、相当落ち込んでたぞ。一応謝っといたほうがいいかもな。」
 「そっか・・・。分かった・・・。」

 「それで、体調は?もう平気なのか?」
 「うん。もう熱は下がったみたいだから、明日は・・・、行くよ・・・・。」
 「そうか・・・。」
 「・・・・・。」

 「・・・・大丈夫か?学校・・来れるか・・・?」
 「う、うん・・・・。」
 「俺がみんなに事情説明しようか?」
 「いや・・・、それはやめてほしいかな・・・。」
 そんなことされたら、今度こそ俺は本当の腫れ物扱いだ。
 「みんなにも・・・、謝ろうと思う・・・。」
 「そっか。分かった!」

 「進二、ありがとな。」
 「いやぁ~、よかったよ、本当。このままお前が学校来なくなるんじゃないかって、マジで心配したんだぞ!」
 「はははっ・・・・。」
 「つらい時はいつでも俺に言えよ!できるだけ力になるからさ!」
 「うん。ありがとう。」

 「それから、これはお前にプレゼントだ。」
 「ん・・?」
 進二はかばんからノートを取り出し、俺に渡した。
 「これ・・・、何?」
 「ふっふっふっ、例の遥ちゃんからのプレゼントだよ!」
 進二はおどけて俺の背中を叩いた。
 「えっ・・・・。」
 ドキッとした。

 「3日分の授業のノートだそうだ。お前ら、ついにそういう関係になったのか~?」
 進二はニヤつきながら俺をつつく。
 俺はドキドキしながら、心の奥を見透かされないように下を向いた。
 「そ、そういう関係って・・・、お、俺は何も・・・。」
 「はははっ!冗談だよ、冗談!まあでも親切心は素直に受け取っとけ。」
 俺はノートをじっと見た。