そうそう。私はおじさんとおばさんのことを、お父さん、お母さんと呼ぶことにした。
 それは今までの感謝を込めて、そしてこれから本当の家族になっていくために・・・。

 私は、家族って不思議な人間関係だと思う。

 一言に「家族」と言っても、色んな家族がある・・・。
 血が繋がっていてもお互いを大切にしあえない家族もあれば、私たちみたいに血の繋がりは薄くても毎日が幸せいっぱいの家族もある。

 でも、一つ屋根の下で一緒に暮らすという関係は、友達や恋人とはなかなか築けるものじゃないだけに貴重で、そして、その家族の一員となっている人のその後の人生をどのように彩るかにも大きく影響してくる、すっごくすっごーく大切なものだと思う。

 もっとも、当たり前のように傍にいる存在だから、そういう事にはなかなか気がつけないんだけどね・・・。

 私は、この2人と家族になれたことを、とても幸せなことだと思ってるよ。
 だって・・・・、私の人生今、すっごく輝いてるから!

 「はいは~い、質問はそこまで~!」
 私はお母さんと勇治の間に割って入った。
 「え~、もう行っちゃうの~?もっとゆっくりしていきなさいな~。」
 おばさんは不満そうに私を見た。
 「ダメなの!今日はテストなんだから!勇治への質問はまた今度ね!」
 「それじゃあ勇治君、今度、家にご飯食べに来なさいな。その時に沢山話しましょ~。おいしいもの沢山用意して待ってるからね~。」
 「あははっ、はい!是非!」
 勇治はお母さんに笑顔で答えた。
 「それじゃあ、行ってきまーす!ほらっ!勇治行こっ!」
 「あ、あぁ、うん。」
 私は勇治の腕を引っ張って玄関を出た。

 「勇治君~、詩織を頼んだよ~。」
 「あっ、はい!行ってきま~す!」
 勇治はお父さんの声にも丁寧に答えて軽くお辞儀した。