・・・・・っん・・・・・。
 ・・・・ここは・・・・、どこ・・・・?

 ゆっくりと頭を持ち上げた・・・。
 私は教室の自分の席に座っていた・・・。
 クラスには私1人だけだった・・・。

 みんな、どこ行っちゃったんだろう・・・・。

 廊下に出た。廊下も静まり返っていた・・・。
 ゆっくりした足取りで歩き出した・・・。

 体育館、更衣室、剣道場、運動場・・・。
 職員室、食堂、中庭・・・。中庭では、噴水がチョロチョロと元気なく水を噴き出していた・・・。

 ・・・・誰も・・・いない・・・・。

 教室だけじゃない・・・。学校には誰もいなかった・・・。
 事態の飲み込めないまま、校門に歩いていった・・・。

 ・・・・あっ・・・・。

 校門には、風に吹かれて舞散る桜に包まれて、2人の人影が隣り合って並んでいた・・・。
 1人は勇治君、もう1人は・・・・。

 ・・・・沢木・・・・さん・・・・。

 私は2人を見つめたまま立ち止まった・・・。

 2人とも、校門の上の「青葉北高等学校」の文字を見上げていた・・・。

 沢木さんが私に気がついた・・・。
 すると彼女は、にっこり笑って私に手招きした・・・。

 ・・・・・・・・・?

 私は沢木さんの方に歩いていった・・・。
 勇治君はまだ校門の上の文字を見つめたままだった・・・。