6時間分の授業をなんとか乗り切った・・・。

 今日は少し頭がクラクラするから、放課後は勉強しないで家に帰って少し休むことにした。

 下駄箱で優希に会った。
 「あっ、詩織~。」
 「あ、優希~。今帰るとこ?」
 「うん。・・・っていうかあんた・・・・・。」
 優希は私を覗き込むようにじっと見た。

 「ん・・?どうしたの・・・?」
 「なんか顔色悪いよ?大丈夫・・・?」
 「うん。平気平気~。」
 「そんなに根つめて勉強してるわけ~?」
 「あはは、まあねぇ~。」
 下駄箱を出ようとしたところで少しよろめいた。

 優希が慌てて私の腕を支えてくれた。
 「ちょ、ちょっと!ほんとに大丈夫なの!?」
 「大丈夫だよ~。家帰ったら少し休むからさ。」
 「も~、無茶しないでよ~。」
 「あはは、ありがとう。」

 校門までやってきた。
 「それじゃあ、また明日ね~。」
 「気をつけて帰りなさいよ~。」
 私を心配そうに見守る優希に手を振って、ゆっくり歩き出した。

 あぁ~・・・、ちょっと頭が痛くなってきたなぁ~・・・。
 勉強もしなきゃ行けないし、早く帰ろっと・・・。
 少し熱っぽい額に手を当てながら早足で歩いた・・・。

 後はこの石段を上るだけっと・・・。

 そう思って石段に差し掛かった時だった・・・。