その日から私たちは、放課後一緒に、各自の席で勉強することになった。
とはいえ、あくまでも勉強が目的だったから、彼は私に話しかけることはあまりなかったし、私も彼の勉強を邪魔する気はなかった。
というより、自分の勉強をきちんと進めないと、今度こそ授業についていけなくなりそうで、彼とおしゃべりしている余裕がなかった、と言うべきかも・・・。
そうやって数日が過ぎた、ある日の放課後。
今日は真田君に聞きたいことがあったから、彼の隣に座った。
少し驚く彼に問題集を開いて見せた。
「この問題、どうやって考えればいいと思う?」
突然の質問にも、彼は問題を読んだだけですぐに答えてくれた。
「え、えっと、これは行為の主体がずれてる場合の問題だから不定詞の前に“for+人”を入れるんだよ。」
「でも、これ“of”だよ?」
「あー、それは形容詞が人の性質を表してるからね。“kind”とか“careless”みたいに、人の性質を表す形容詞が使われる時は“for”の代わりに“of”を使うってことじゃないかな?」
真剣に説明する真田君の顔を見た。
きれいな二重、長いまつげ、すらっと伸びる鼻筋、上品な口元・・・。
やっぱり、以前よりも少しだけ表情が柔らかくなっている気がした・・・。
笑顔の時とはまた違った表情に少しドキドキした・・・。
「ふむふむ、なるほどね。じゃあこれは・・・?」
「ん~と、これは時制がずれてるから不定詞のところを“to do”から・・・。」
「朝倉~。」
聞き覚えのある声が聞こえた。振り返って見ると水野君が立っていた。
「あっ、水野君。」
そういえば・・・、今朝会った時に練習予定表を持ってきてくれるって言ってたっけ・・・・。
・・・・今日こそ返事しなきゃ・・・。
「ちょっとごめんね。」
そう決心して席を立ち、水野君と教室を出て行った。
とはいえ、あくまでも勉強が目的だったから、彼は私に話しかけることはあまりなかったし、私も彼の勉強を邪魔する気はなかった。
というより、自分の勉強をきちんと進めないと、今度こそ授業についていけなくなりそうで、彼とおしゃべりしている余裕がなかった、と言うべきかも・・・。
そうやって数日が過ぎた、ある日の放課後。
今日は真田君に聞きたいことがあったから、彼の隣に座った。
少し驚く彼に問題集を開いて見せた。
「この問題、どうやって考えればいいと思う?」
突然の質問にも、彼は問題を読んだだけですぐに答えてくれた。
「え、えっと、これは行為の主体がずれてる場合の問題だから不定詞の前に“for+人”を入れるんだよ。」
「でも、これ“of”だよ?」
「あー、それは形容詞が人の性質を表してるからね。“kind”とか“careless”みたいに、人の性質を表す形容詞が使われる時は“for”の代わりに“of”を使うってことじゃないかな?」
真剣に説明する真田君の顔を見た。
きれいな二重、長いまつげ、すらっと伸びる鼻筋、上品な口元・・・。
やっぱり、以前よりも少しだけ表情が柔らかくなっている気がした・・・。
笑顔の時とはまた違った表情に少しドキドキした・・・。
「ふむふむ、なるほどね。じゃあこれは・・・?」
「ん~と、これは時制がずれてるから不定詞のところを“to do”から・・・。」
「朝倉~。」
聞き覚えのある声が聞こえた。振り返って見ると水野君が立っていた。
「あっ、水野君。」
そういえば・・・、今朝会った時に練習予定表を持ってきてくれるって言ってたっけ・・・・。
・・・・今日こそ返事しなきゃ・・・。
「ちょっとごめんね。」
そう決心して席を立ち、水野君と教室を出て行った。