職員室前の廊下で少しドキドキしていた・・・。

 朝からこんなところで真田君に会っちゃった・・・。
 自分が真田君のことが好きだと分かると、妙に緊張しちゃう・・・。
 ・・・でも・・・・。

 雨の日の出来事が頭をよぎった・・・。

 きっと彼も私に会うのが気まずいと思うから・・・。
 だから、せめて私はいつも通りに接してあげよう!

 日誌を胸に抱えたまま、深く息を吸って、ゆっくり吐いた。

 よしっ!いつでも来なさい!

 少し待っていると真田君が職員室から出てきた。
 「ふぅ~・・・。」
 真田君は私に気がつかずに大きくため息をついた。

 人の気配を感じたのか、ようやく彼は私を見つけた。

 「うわぁっ!!!」

 ふふふっ・・・、そこまで驚かなくてもいいのに。ちょっとかわいい・・・。

 「あの・・・、えっと・・・、その・・・・。」
 「おはよう。」
 動揺してまごついている彼に笑顔で挨拶した。
 「・・・・。おは・・よう・・・・。」
 「さ、教室いこ。」
 彼に微笑みかけて、廊下を歩き出した。

 後ろを見ると、彼はまだ呆然とその場に立ち尽くしていた。
 「早く!」
 「あっ、は、はい!」
 彼は慌てて私の所まで走ってきた。

 3日ぶりにする会話はどこか新鮮で、すごく心が弾んでいた。