「・・・・告白・・・・されちゃったの・・・・。」
 おじさんとおばさんはすごく嬉しそうな顔になった。
 「ほほ~ぅ、それでそれで~?」
 2人にあまりに見つめられて、ますます恥ずかしくなった。
 「返事は・・・・、まだしてない・・・・・。」
 「うんうん、それで~?」
 「そ、それでって・・・、それだけ・・・・。」
 「詩織はどう思ってるの?その子のこと。」
 「私は・・・。憧れてたの・・・・、ずっと・・・。でも・・・・。」
 「でも?」
 「それって・・・、好きなのかなって・・・・。自分の気持ちが・・・、よく分からなくて・・・・。」

 おじさんは腕を組んで笑顔で頷いた。
 「いいねぇ~、青春だねぇ~。」
 「・・・・・・。」
 私が黙っていると、おばさんは私の肩にそっと手をのせた。
 「詩織~、そういう時は目を閉じてみなさい。」
 「えっ・・・、目・・・?」
 「そう。何も考えずに目を閉じて、真っ先に誰の顔が思い浮かんだか考えて御覧なさいな。」
 「・・・・・・。」
 おばさんはやさしく微笑んでくれた。
 「うん・・・、わかった・・・。やってみる・・・・。」

 自分の部屋に戻って床に正座した。
 深く息を吸って、ゆっくり吐き出した。
 そっと目を閉じた。

 ・・・・何も見えなかった・・・・・。
 ・・・・真っ暗な・・・だけ・・・・?
 ・・・・・・あっ・・・・・・。
 ・・・・・真田君・・・・・・。

 暗闇の奥で真田君が満面の笑みを浮かべていた・・・。
 そっと目を開いた。

 ・・・真田・・・・君・・・・・?

 ゆっくり立ち上がって、机の上に置きっ放しのあの写真を見た。
 真っ先に浮かんだのは・・・・、この笑顔だった・・・・。

 ・・・私は・・・・・・。
 私は・・・真田君のことが・・・、好きだったんだ・・・・。
 ・・・・この笑顔が・・・・、好きだったんだね・・・・。

 写真の中で笑う彼の顔をじっと見ていたら、自然と笑顔になっていた。
 それと同時に心の中にあったもやもやしたものもスーッと晴れていった。