次の週の月曜日。教室に行くと、真田君と藤村君が話をしていた。

 「よっ!朝倉!おはよう!」
 「おはよう、真田君、藤村君。」
 真田君は私をチラッと見ただけだった。

 真田君の顔を見たら、金曜日にした自分の決意を思い出して少し恥ずかしくなった。
 ひとまず金曜日のお礼だけは言っておこう・・・。

 「あの、真田君、金曜日はありがとね。」
 「あぁ、うん・・・。」
 真田君は目を合わせてはくれなかった。

 すると藤村君がうれしそうに私と真田君を交互に見た。
 「あぁ?なんだお前らもうそんな関係なのかよ!!」
 「ばっ!な、何言ってんだお前!なんでもねぇよ!」
 藤村君は真田君を、からかって笑っていた。
 私は2人のやりとりがおかしくて、笑って見ていた。
 「朝倉~、勇治と仲良くしてやってくれよ~。頼むぞ~。」
 「ちょっ!!お前もう向こう行ってろ!!」
 「あははははははっ!!」
 藤村君は笑いながら席を離れた。

 やっぱり、藤村君はすごい人だなぁ・・・。
 真田君のこと、すごく理解してる・・・。
 今、仮面をつけない素の真田君を引き出すことができるのは、彼だけだと思った。
 きっと彼も、真田君が笑顔になってくれることを望んでいるんだ・・・。
 さっすが親友・・・・!