―カツ カツ カツカツ…

誰かの足音がする。
…多分、女の人のヒールの音。


あたしのことを
追ってきてる…

ーカツカツカツカツ....


だんだんと速くなる足音。



「やだ!やだやだ!
ついてこないでよ!」


迫ってくる足音が怖い。

目には涙が滲む。


「あ.....つ....と
敦斗ぉ・・・」


前をみると
小さくなった敦斗の背中が見える。


敦斗は最初から
あたしなんかいなかったかのように
1度も振り返らず走っている。