そう叫んだつもりだったのに、
実際は声になっていなかった。




…声が出ない
どうして?

敦斗!気づいてよ!




どんなに願っても敦斗は気づかない。
それどころか手を離して1人で走りだした。


「待って!お願い!」


助けを求めたくても
声が出ない。



あたしの足は
鉛のように重い。