「お嬢!お帰んなさい!!」

「あぁ」

「おつとめご苦労さんでした!!」

「あぁ…」

「お嬢!!」

「なんだ!?」

「靴紐が…」

「それくらい自分でできるっ」





―――――――――――――


あたしは【一条華憐 いちじょうかれん】


そしてこれがあたしの日常生活

お嬢お嬢って言われながら日々を生活していく…


でも正直…


恥ずかしいんだよな…これ。







【一条組】


それはあたしの…
簡単にいうと家柄


ヤクザの中ではトップの名門


そしてあたしは一条組の三代目総長

とは言っても…
まだおじいちゃんがいるから次期総長なんだけどね


だけどあたしは総長になる自信などない


こんなあたしが一条組を引っ張るなんて
考えもつかないし…。









ところで…

なぜおじいちゃん?って思ったでしょ?

それは…


あたしの父親は事故死

事故の理由は
一条組を守る為に体をはったから


父親が死んでからは
守り神的存在となっている



母親はあたしを産むと同時に死んだ


だからあたしは
おじいちゃん一人で育てられてきた



こんなヤクザに育ってしまったけどね…笑








「お嬢!メシの支度が整いましたぜぃ!」

「あぁ」

「あと、親方が今日は一人で食べるようにと…言付けがありやした!!」

「あぁ、わかった」


いつもはおじいちゃんと二人で食べなくちゃいけないの

代々伝わる一族の決まりの一つ

他にもいろいろあるけどね(笑)

例えば

出かける時は必ず誰かが付き人としてつくとか…

簡単に身分を口に出してはならないとか…








ご飯も食べ終わって

今から何をしようかと迷い中…

みんなとトランプでもしたいな

「お嬢!!今からみんなでトランプしやせんか?」

「/////そんなもんっするわけねーだろ!!!」

「ビクッ!!はっはいっ」


だだだだだっ



はぁー…

どうしてあたしは
素直になれないんだろ…





あたしは幼い頃から父親にバシバシと鍛え上げられ

見事な後継ぎ候補として
作り上げられた

目つきも悪く
オーラが出てしまってて

周りには誰も近寄らなくなった

そのくせ
父親は死んでしまったし


結果、あたしは孤独な人間なの…


本当は小動物大好きだし
みんなと遊んだり
ワイワイはしゃぐのとかやってみたいんだけどっ

あたし、恥ずかしがりやだし
照れ屋だしっ素直じゃないしっっ


今更、人との接し方とかわかんないし…。


どうすればいいんだろう…