「卓巳君……」


胸が熱くなってギュって押しつぶされそうになる。

喉の奥に込み上げてくるものを懸命に堪える。

油断したら、今すぐにでも涙が零れそう……。


卓巳君……そんな優しいこと言わないでよ。

あたしバカだから。

また勝手な期待しちゃうよ。



卓巳君はあたしの指に唇を這わせ、そのまま上目遣いであたしを見る。


そして人差し指をそっと口に含んだ。

一瞬ビクンと指先が震える。


その反応を面白がるように、あたしの指は卓巳君の口内で弄ばれる。


「卓巳君っ……ヤダ……」


拒んでも彼の耳には届かない。

今度は舌であたしの指をなぞり、少しずつその位置を変える。

そして、指の間を舌先で刺激される。



「きゃッ……」


もうたまらなくなって、思わず手に力が入る。


「萌香チャンて、指、感じやすいよね」


卓巳君はクスクス笑ってる。


頬も耳も……それから彼に触れられている指も……全てが熱い……。