「いつも晩飯、萌香チャンが作ってるんだ?」
口をもぐもぐさせながら卓巳君が尋ねる。
「うん……。うちお母さんいないの。4年前に事故で死んじゃったから……」
その瞬間、卓巳君の表情がサッと変わった。
「そっか……。ごめんな……。オレ…ヘンなこと聞いてしまって」
あまりにも申し訳なさそうな表情をするので、あたしは慌てて手を振って否定した。
「あ! いいのいいの! 全然気にしてないんだから」
それは本心だった。
もう4年も前のことだもの。
今はこういう話題も平常心でできるようになったんだ。
「それにね。毎日、お父さんや弟のために料理を作ってるうちにすごく良い事があったんだよ?」
「良いこと?」
「うん。うちのお母さんね。わりとこまめに自作のレシピ集を作ってたのね……」
そう。
それはお母さんの遺品を整理している時に出てきたものだった。
家計簿と一緒に置かれていた、お母さんの日記。
お母さんは毎日の日記に、その日に作った料理について、材料はもちろんのこと、調味料の分量や作り方までことこまかくイラスト入りでまとめていた。
「それを読んでて気づいたの」
「何を?」
「お母さんが、あたし達の健康のことすごく大事に考えてくれてたってこと」
口をもぐもぐさせながら卓巳君が尋ねる。
「うん……。うちお母さんいないの。4年前に事故で死んじゃったから……」
その瞬間、卓巳君の表情がサッと変わった。
「そっか……。ごめんな……。オレ…ヘンなこと聞いてしまって」
あまりにも申し訳なさそうな表情をするので、あたしは慌てて手を振って否定した。
「あ! いいのいいの! 全然気にしてないんだから」
それは本心だった。
もう4年も前のことだもの。
今はこういう話題も平常心でできるようになったんだ。
「それにね。毎日、お父さんや弟のために料理を作ってるうちにすごく良い事があったんだよ?」
「良いこと?」
「うん。うちのお母さんね。わりとこまめに自作のレシピ集を作ってたのね……」
そう。
それはお母さんの遺品を整理している時に出てきたものだった。
家計簿と一緒に置かれていた、お母さんの日記。
お母さんは毎日の日記に、その日に作った料理について、材料はもちろんのこと、調味料の分量や作り方までことこまかくイラスト入りでまとめていた。
「それを読んでて気づいたの」
「何を?」
「お母さんが、あたし達の健康のことすごく大事に考えてくれてたってこと」