「なぁお前、いつ告白すんの?」

「ぶっ…!」

昼休み、唐突に脈絡の無い質問をしてきたのは、親友の河島拓弥(かわしまたくや)。

あまりに予想外の言葉に、俺は飲んでいたお茶をベタに吹き出した。

「ちょ、きったねーなお前!」

「あ、ごめん。…てか何?"告白"って。」

床にしゃがみ、溢したお茶を拭きながら聞いた。

「告白は告白だよ!愛する人に愛の告白!」

と、ケラケラ笑いながら答えた。

「……誰に。」

「だあい好きな槙原陽菜(まきはらひな)ちゃんに!」

その言葉に、俺の動きがピタリと止まった。

「な、何で知って…」

「馬ー鹿っ!親友の俺にわからないとでも思ってんのか?お前見てりゃバレバレなんだよっ。もう随分前から知ってるぜ?」

俺の言葉を遮って、何か獲物を捕らえたような顔でニヒヒと笑いながら言った。

バレていたと知り、身体中の熱が上がり、顔が火照っているのが自分でもわかる。

「おーおー、柄にもなく赤くなっちゃって!なに、初恋だろ?愛しちゃってんの?」

「愛してるとか言うな!寒い!」

俺の頭を撫でる拓弥の手を、振り払って言った。