「ちょっと! あぁもう大丈夫!?」


バンバンと身体に響く振動のおかげか、咳も落ち着き口元を拭う。

呆れたようにこちらを見る内海の視線が痛い。


ばつが悪くなり、下を向いていると内海が下から僕を見上げ、言いにくそうに言葉を紡ぐ。


「あのさ……鳴瀬は、そのままがいいと思うよ?」



一瞬、何の事かわからなくなった。

でも、さっきの教室で内海の言いたかった事はこれなんだと悟ると、今度は何て返せば良いのかわからなくなり、言葉に詰まった。



「あの! その………鳴瀬は、その格好と性格が1番だよ。男らしさなんて、鳴瀬にはいらないよ。」