「そんなに気にするなら俺がプロデュースしてやろうか?」






(―――え)


背後から聞こえた声の主は、この学年で1番人気のある男子。


プロデュース、という単語に反応して後ろを向けば、真面目な顔をして頬杖をついている。


「……え、ヒロシ。それマジ?」


友人が、声の主――ヒロシに向かって問い掛ける。

ヒロシはなんてこと無いように笑った。


「当たり前。夏軌はいじれば結構良いトコ行くと思うんだけど。」



そっか、そういやヒロシはメイク志望だっけ。


本人がカッコイイのにもったいない、とかは置いといて。


「どうよ、俺に任せてみねぇ? オトコらしさ、作ってやるよ?」


今の僕には甘すぎる誘惑。

今までのフラれた原因を……。



「………っ、わ、わかった! お願いします!!」