―――初めて。



初めて、内海を意識した気がする。




頬に触れる指先は優しくて、ドキドキした。


一生懸命背伸びする内海が、可愛いと思った。


――それから、触れたいって、思った。抱きしめたいって、思った。



……そっか、僕は。




「――内海、」



………この子が、好きなんだ。


自覚して、どうしようもない位に、また怖くなる。


もし、内海にフラれたら? 今度こそきっと、僕は立ち直れないんじゃないかって。



でも。







「―――好きだよ。あたし、鳴瀬が。」




そう言って、内海は笑った。