「あのさ、女だからってバンバン男を殴って言い訳じゃないんだよ? 実際、聞いてる限りじゃ、鳴瀬は叩かれるような事してないと思うけど。」


青ざめていた彼女の顔が、カアッと赤くなる。

キッと内海を睨む彼女の表情が歪んだ。


僕はそんな二人を前に、ただ微動だにせず成り行きを眺めるだけで。


「あんたには本当の鳴瀬なんて見えてない。顔が良い奴探してんなら紹介するよ?」




フ、と彼女を嘲笑うように見つめる内海。

彼女は赤くなった顔をさらに赤くして、「あんな男、こっちから願い下げよ!」と言いながら、足音激しく去って行った。